セクシャルハラスメント、いわゆるセクハラ問題が発生したとき、経営者は迅速かつ適切に問題に対処することが求められます。従業員を守るためにも、会社を守るためにもきちんと対処しなくてはなりません。
さて、派遣労働者に対するセクハラの場合、実際に働いている場所は派遣先企業になります。派遣先企業でセクハラ防止策はもちろん必要ですが、派遣元はどうなのでしょうか?
ある裁判例(大阪高裁平成25.12.20)を例に説明します。
というケースです。
この場合派遣元が責任を問われることはあるのでしょうか?
結論としては、派遣会社は50万円の支払いを命じられました。派遣元の責任が問われたわけです。特に大事な点としては、派遣会社上司Bが相談を受けていたのに何もしていなかった。やるべきことをやっていなかったと認定されたことです。一方派遣先会社は、一応は異動させたとして責任は問われませんでした。
派遣会社は契約上派遣先の意向に背くことは困難な面もあります。しかしながら、不当解雇に対する抗議などやるべきことをやっていない場合、派遣元も責任を問われる可能性があります。
派遣労働という特殊な雇用形態ではありますが、同じ職場で働く人は同じように配慮が必要です。
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