メンタルヘルス対策をしていると、さまざまな診断名と出会います。
本シリーズは、できるだけわかりやすくそのような診断名を解説することを目的とします。
第一回目は パニック障害です。
パニックといっても、いわゆるあわてるやパニック状態というものが起きるのではありません。
パニック障害とは、突然、激しい動悸や発汗、頻脈(ひんみゃく:脈拍が異常に多い状態)、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、めまいといった体の異常と共に、このままでは死んでしまうというような強い不安感に襲われる病気です。
また、その発作のせいでいつ発作が起こるのだろうと不安になり、外出できなくなってしまう広場(空間)恐怖といわれる症状も併発することがあります。
心理学辞典(有斐閣)より一部引用すると、
「突然起こってくる種々の身体症状に強烈な不安,恐怖の感情を伴う恐慌発作を繰り返し起こす不安障害の一型である。身体症状としては,息切れや呼吸困難,動悸,胸部不快感,発汗,めまい,立ちくらみ,吐き気,震え,寒気など多彩なものが含まれるが,呼吸器系,心血管系の症状が前面に現れることが多く,患者はしばしば心臓発作や脳卒中が起こったのではないか,死んでしまうのではないかと思い込む。何度か発作を経験すると,また同じようなことが起こるのではないかという予期不安を絶えず抱くようになる。さらには,家から遠く離れた場所,人込み,乗り物のなかなど,発作が起こった時に逃れられないか助けが得られないような場所に行くことを回避する空間恐怖を伴うようになる例も多い」と説明されています。
急に過呼吸となり、苦しそうに息をする症状が特徴です。発作自体は多くの場合10分程度でおさまります。
最近では芸能人の中川家の兄が、パニック障害であることを告白し、少し認知度が上がってきたように思います。
パニック障害の方はいつ発作が起きるのだろうと常に不安と闘いながら仕事をしています。専門機関で認知行動療法と投薬を受けることでほぼ治る病気ですので、専門機関の受診を勧めてあげてください。
当事務所では、顧問先の社員の方が受診される際に、お勧めの病院を紹介することもできます。
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