従業員の仕事へのモチベーションは業績に直結します。そのことについて異論がある経営者の方は少ないと思います。
従業員のモチベーションをあげるためには、安心して働ける職場が大切で、そのような職場づくりのお手伝いをメンタルヘルス対策や、ストレスチェックを通じて提供しています。
従業員のモチベーションアップと聞いて、人事施策としては他にはどのようなものが考えられるでしょうか?
一番始めに考えられるのは、賃金や賞与の金額アップではないでしょうか?
多くの経営者の方が「賞与をすごく頑張って支給したのに従業員から感謝の言葉はない。むしろ不満さえ聞こえる。」という思いを持たれているのではないでしょうか?
心理学(特に当事務所代表の流派である行動理論)によるとこの結果は当然であると言えます。
人は良い行動が出た後に、すぐに褒められると(褒め方は様々です)、その行動の出る確率やその行動が維持されることが多くなります。例えが動物で恐縮ですが、テレビで見る麻薬探知犬は、麻薬を探知してその隣に座ると即座に餌を与えられ褒められています。その結果その行動は維持されているのです。
人に置き換えると、例えば、
会議で積極的に発言する→褒められる
であると会議で積極的に発言する行動は増えるでしょう。
一方、
会議で積極的に発言する→空気を読めと怒られる
であれば、会議で発言する行動は減るでしょう。
従業員の行動は案外、行動直後の周囲からのフィードバックに左右されているのです。
ただし従業員は人なので動物のように即時フィードバックだけで左右されているわけではありません。人は、言葉があるため言葉で「先週のあの行動よかったよ。」とほめることができるのです。
ここからが大切なところなのですが、言葉によるフィードバックにも有効期限があるのです。
言葉によるフィードバックの有効期限は、心理学的には最長2週間と言われています。
鋭い経営者の方であれば、ここでなるほど! とおっしゃっていただけると思います。
そうです、賞与は良い行動を起こしたとしても、通常半年後に褒められるのです。昇給も同じです。多くの会社で年に1回褒められるのです。
これだとどのような行動をして、ほめられているのか従業員はわからないのです。
ではどのようにすれば良いのでしょうか?
方法はいろいろと考えられますが、良い行動が起きた時にすぐに褒められる環境をつくることが大切です。
有名な例ですと、某アトラクション施設ではよい行動を見つけた社員はその場で褒めるカードを渡します。そこには具体的な行動が記載され、その後の人事評価にもつながります。
当事務所では毎週面談をして、具体的な行動ができていたか、できていなかったかのフィードバックをすることもお勧めしています。案外初めは大変だという声が聞こえてくるのですが、やってみると案外楽だったりします(それどころか部下とのコミュニケーションが円滑になった、幹部が管理職意識を持つようになった、という声も聞こえてきます)。
大切なポイントは、経営者として、従業員に望ましい行動が見えた時に適切にできるだけ早く褒められる状態になっているかです。
このポイントで是非社内を見渡していただければと存じます。
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