Columnコラム

やってよかったストレスチェック!!認知行動療法の紹介【経営者向け】

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ネモフィラ

 

ストレスチェック制度が義務化されてから2年目になりました。多くの企業で、2回目の実施の検討をしているかと思います。厚生労働省による「ストレスチェック制度実施マニュアル」では、セルフケアのアドバイス例として、正しい生活(食事・睡眠・運動などの規則正しい生活)、ストレスコーピング(行動・考え方の工夫・リラクゼーション・周囲への相談)が紹介されています。また、厚生労働省の研究班によって作成された科学的根拠に基づくセルフケアのガイドライン(島津明人他,2012)では、認知行動的アプローチに基づいた方法の教育が推奨されています。

 

では、認知行動的アプローチとは具体的にどのようなものでしょうか?

 

カウンセリングの世界では、認知行動的アプローチのことを認知行動療法と呼んでいます。認知行動療法では、事実そのものよりもどのようにとらえるか(=認知)を重視しています。

 

そもそもストレスとは何でしょうか?

 

今回は臨床心理士として解説していきたいと思います。
現代はストレス社会と言われています。ストレスという用語は、ハンス・セリエ(Hans Selye)が提唱した概念で、元々機械工学の専門用語であり、『外力が物体に加わった場合の歪み・不均衡』という意味を持っていました。ストレスがかかると物体が変化するというある意味当たり前の現象のことをストレスと呼んでいたわけです。

この時の外力のことをストレッサー、歪みや不均衡のことをストレス反応と呼びます。
代表的なストレッサーの種類には、温熱、寒冷、痛覚、圧力、光、騒音といった「物理的ストレスッサー」、薬剤、有害化学物質、環境ホルモン、化学合成物といった「化学的ストレッサー」、細菌、ウイルス、カビなどの「生物学的ストレッサー」、人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任や重圧、将来に対する不安、大切な人の喪失体験、経済的困窮などの「精神的ストレッサー」があります。つまり、外部からの変化がストレッサーであるといえるのです。

しかしながら、人間で考えるとわかるのですが、すべての人が同じストレスにあったからと言って、同じようにストレス反応があるわけではありません。想像してみてください。同じ職場で同じ仕事をしているのに、体調を崩す人とそうでない人がいますよね?そのために心理学の世界ではいろいろなストレスモデルが提唱されているわけですが、今回は臨床心理士として、認知行動モデルをご紹介したいと思います。

 

認知行動療法の図

認知行動療法の図

 

上記図が認知行動理論に基づくストレスモデルになります。例として、宝くじに100万円当たったことを検討しましょう。Aさんは「ラッキーー!」と認知し、感情はわくわく行動はスキップ、身体反応はドキドキするかもしれません。Bさんは、「私にこんな出来事が起きるとは、何か悪いことの前兆かもしれない」と認知し、感情はどんより、行動は何もせず、身体反応も下がるかもしれません。

 

大切なのはこのどう捉えるかという部分で、心理学的には認知と呼んでいます。つまり同じ出来事であっても、人それぞれストレッサーをどう捉えるかは異なってきます。そのことがストレス反応に大きな影響を及ぼしていると考えるのです。事実よりも事実をどうとらえるかが大切ともいえます。

 

また認知行動理論では、認知と行動と感情と身体反応が相互に関連していると考えています。ですので個人への関与の際には、変えやすいところから変えるというのが基本的な考えとなっています。

 

① ストレッサーそのものを減らす
② 認知を変える
③ 行動を変える
④ 身体反応を変える
⑤ 感情を変える

 

のどれか変えやすいところから変えていこうというのが主なかかわり方となります。

 

①認知を変えるためには、認知行動療法の技法を使い、その認知が果たして適応的なのか、カウンセリングを通じて見直していきます。
②行動を変えるには、行動実験を通じて行動を変更していったり、エクスポージャーという技法を使って行動からくる身体反応であったり 感情を変化させることにより、行動の持つ価値を変えていきます。
③身体反応を変えるには、リラクセーション技法を通じてこれまでの身体反応を変更させていきます。
④感情を直接変えるのはなかなか難しく、①②③通じて変化を促していくことが大切です。

 

職場に当てはめて考えてみると・・・

 

職場のストレスを物理的に減らすことができれば、ストレス反応は当然減らすことができます。しかしながら、実際の職場においてストレスを減らすことはなかなか困難でしょう。社員のストレスを減らすために、仕事を減らしますというのは実際の経営ではなかなか考えることはできません。

 

では、職場のストレスを物理的に減らすことができないときにはどうしたらよいでしょうか?

 

個人としては、とらえ方を変えてみるというのが一番簡単かもしれません。

集団としては、職業性ストレスモデルに基づき考えると緩衝要因を増やすことが大切になります。 この場合の変えることができる緩衝要因とは、上司や同僚・周囲からのサポート、仕事の満足度等です。良好なコミュニケーションが行われている職場ではストレスが低くなります。 そのために研修や社内行事を通じてコミュニケーションを活発にさせるなどの施策が大切になってきます。 またそのような風土が作れるような人事制度作りも併せて大切です。

 

まだ多くの企業でこのストレスチェックが義務化されたことを認識していません。本コラムを読んでぜひストレスチェックをうまく導入してください。




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